理科の目標『科学的思考力』⑤
今日は科学的思考力の最後の「一般化」の話をします。
前回までについて
一般化とは実験の結果から導き出した答えや法則性を簡略化することです。
物理の場合では現象を数式で表現したり、
化学では化学反応式にして表現したりします。
今回は「一般化」の例を速さと距離の関係でやってみます。
常に一定の速度で動いている物体を観察したとき、
結果として、
走っている時間が長ければ移動距離が長くなる。
速度を早くさせてあげれば移動距離が長くなる。
ということを結果の考察から導いたとしましょう。
すると物体の移動距離は移動時間に比例し、速度にも比例して長くなるということがわかります。
そうすると移動距離X(m)と速度V(m/s)移動時間T(s)の関係を式で表すと、
X=VT
という式を導き出すことができます。
日本語で書けば
「走っている時間が長ければ移動距離が長くなる。速度を早くさせてあげれば移動距離が長くなる。」なのですが、
数式を使うと
「X=VT」で表すことができます。
そして数式は実際にじゃあ、どれくらい移動するのかを計算するのかに非常に便利です。
これは物理に限ったことではなく、経済でももっと言えば何かを計算したいときはこれらの「一般化」されたものに数値を当てはめているということもできます。
つまり一般化を行うことは実験などの一見日常と関係ない部分をつなぐことであるということもできます。
また、この一般化する過程で物事を定量的に見る「科学的視点」を手にすることもできるのではないでしょうか。
これらの「疑問」「仮説」「実験」「考察」「一般化」が科学的思考であり、
日常の中でこれらを使うことができるようになることが理科の目標であると思います。
そしてこれらの力を育むことが学校の理科教育ではないでしょうか?