スタディサプリを実際使ってみた②
前回は大学生の私が、高校のとき履修していなかった生物基礎をスタディサプリを使って勉強し、その感想を教師視点と生徒視点の両方で書きました。
今回は教師及び研究者の視点で書きたいと思います。
見た動画は高校物理のスタンダードレベルです。
物理を選んだ理由としては私が大学で物理教育を先行し研究しているからです。
その視点を持ってスタディサプリについて今日は書いていきたいと思います。
まず動画を見て全体的な感想としては非常にレベルが高い解説動画でした。
運動方程式の動画を見たのですが、非常にわかりやすかったです。
基本的な原理、原則、法則などは丁寧かつ適切で必要最小限の言葉で解説していました。
無駄がまったく見当りませんでした。
しかも論理的で「さすが有名講師の授業だな」と感心しました。
原理を解説することに苦手意識がある学校の先生が見ると、非常に勉強になると思います。
授業研究の1つとしてスタディサプリを取り入れることは十分効果があると思います。
しかし、無駄がないということがやはり受験向けの効率のよい勉強で、学校教育の理想とは違いました。
1つは板書のみの授業で実験や演示などが行われていなかった。
板書のみの授業の利点としてはノートが取りやすいことです。
しかしどうしても物理本来の面白みに欠ける授業になってしまいます。
もう1つは素朴概念についてあまり触れられていないことです。
「物体の動く方向に力がかかっている」などのように物理科学的な誤解がよくある考え方や概念を素朴概念といいます。
これを解消するような授業ではなく受験の問題を解くためのテクニックとしての解説が多かったように感じました。
1度学校で学習していることを前提に動画は作られているように感じました。
続いて演習問題について書きたいと思います。
スタディサプリは各章ごとに演習問題がついていてこれの解説動画もアップしています。
スタンダードレベルの問題は教科書の例題と同じか少し上のレベルの問題でした。
トップ&ハイレベルは良問の風(河合出版)~物理重要問題集(数研出版)ぐらいのレベルの問題でした。
いづれも問題数は少ないので受験を考えるならもう1冊は別の問題集を買うことをお勧めします。
次はスタディサプリの勉強とはちょっと異なった「未来の教育講座」について書きたいと思います。