褒めると子供はダメになる〈榎本博明〉を読んで
今回は榎本博明さんの「褒めると子供はダメになる」を紹介したいと思います。
今の日本には「褒めて叱らない子育て」がブームになっています。
この本はその「褒めて叱らない子育て」に対して
「それってすべて正しいの?」
と批判的に見るための本です。
今の子供は叱り慣れていない
現在、叱られずに育った世代が少しずつ社会人になり始めています。
そこで問題になっているのは「叱り」から学べない若者が増加していることです。
小さいころから「褒めて叱らない子育て」を受けた人は
「叱る≠気づきを与える」
「叱る=怒っててムカつく」
が成立していることが多く、上司が叱っても効果がなく、逆にパワハラだと言ったり、仕事を辞めてしまうことが起こります。
その結果自分を成長させる機会を逃している人が多くなっています。
ほめて育てる西洋教育はそもそも父性原理が基板である
「褒めて叱らない子育て」理論はアメリカやヨーロッパ諸国の考え方から来ています。
「叱る」行為はとても大変で、とても疲れます。
愛する我が子との関係が悪くなってしまう気がしてしまいます。
そういう点で「叱らなくても子供たちが伸びる」という子育てはとても魅力的です。
しかし、これは日本文化に会っていません。
日本では川の字になって寝るように親が子どものすべて抱え込んで育てる文化があります。
このように包み込んで育てることは「母性原理」の1つです。
欧米諸国は違います。
子どもを区別し、距離を置くことに容赦をしません。
子供のとき部屋を用意して1人で寝させます。
欧米諸国ではこのように「父性原理」に基づいた子育てを行っています。
「子どもとの距離」を厳しくしているからこそ「褒めて叱らない子育て」の甘さが効果を発揮しているのです。
日本のように「子供との距離」甘やかしているのに「子育て」でも甘やかしては、健全な子育てとは言えません。
海外の子育てを輸入することはいいことですが、文化や習慣の違いは考慮する必要があります。
日本の子育ては「距離が近いがきっちり叱る」がバランスがいいのです。
なんでもかんでも褒めない
何に対しても「すごいね」「頑張ったね」と言わないようにしましょう。
そうしないと褒める行為の価値が下がり、子どもはいずれ努力しなくなります。
何か難しいことや自分の能力以上のことができたときに褒めてあげましょう。
「ただ、すごいね」というのではなく「○○のところがすごかったね」と具体的にどこがすごかったのか根拠をいうことが大切です。
また結果だけでなく努力を褒めるとさらにいいでしょう。
またただ褒めるのではなく「自分のこと誇りに思うやろ」など自己肯定感を高めることを言うこともありです。